有給休暇はあなたの権利。
簡単なポイントを押さえておけば、新入社員時代から使って全然OKです。
「有給休暇」
うーん、休んでいるのに給料貰えるってステキですよね。
とはいえ、社会人になりたての方だと
「有給休暇制度はあるんだけど、会社を休んでいいの?」
「使うタイミングが分からない......」
という方も多いのではないでしょうか。
学校、バイト、部活。
「休む」って、なんか後ろめたい響きですものね。
ですが、ワークライフバランスという言葉と共に「休む」ことの大切さを世の中が認知するようになりました。
国の方針として打ち出された働き方改革。
大企業などでは、1年間に付与される有給休暇の全日取得を目標とするところも珍しくありません。
実際、私の会社も毎年有給休暇の取得目標日数が増えています。
これまで有給休暇を取る習慣が無かった方は、使い方がわからず逆に困惑していたり。
有給休暇をうまく使うためには、制度の理解と慣れが必要です。
ということで、今回の記事は新入社員でも「有給休暇を使用しても良い理由」
そして「有給休暇を気持ちよく使うために気を付けるポイント」
を紹介していきましょう。
目次
なぜ、新入社員が有給休暇を取得しても良いのか
理由はただ一つ、「あなたの権利だから」です。
下記の厚生労働省のガイドラインに沿って、有給休暇が付与されます。
①入社から6か月間継続勤務し、②全労働日の8割以上出勤していれば、労働者は10労働日の年次有給休暇を取得することができます。また、その後1年間継続勤務し、その全労働日の8割以上出勤すると、11労働日の年次有給休暇を取得することができます。以降も同様の要件を満たせば、表1の日数の年次有給休暇が付与されます(勤続年数6年6か月以降は20日)。なお、1年6か月に8割未満の出勤率であったために11日の休暇権を取得できなかった場合でも、2年6か月に8割以上の出勤率となれば、その翌年には12日の休暇権が取得できます。
年次有給休暇の発生要件と付与日数:厚生労働省
また、休暇の権利は2年間有効なので、当該年度に使用しなかった休暇日数は翌年度に繰り越しとなります。
権利ですので、よほど企業に損失のあるタイミングでなければ休暇取得を拒否することはできません。
「新入社員なのに、有給休暇を取るなんてありえない」
といった、なんだかふわーっとした根性論的な、個人の感情による拒否はできないということですね。
厚生労働省が定めたガイドラインは企業が最低限守るべき水準です。
企業によっては
◆6か月よりも前に有給休暇を付与
◆付与日数が1年目から10日よりも多い
など、プラスアルファの制度を設けている場合があります。
あなたの会社の「就業規則」を読んでみましょう!
さらに、企業側は「5日間」最低労働者に有給を取らせなければなりません。
また2019年(平成31年)4月に改正労基法が施行され、使用者に対し、新たに年休5日の時季指定義務が課せられることとなりました。対象となるのは、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(パートタイム労働者や管理監督者も含まれます。)です。
使用者の年休5日付与義務について:厚生労働省
この場合、使用者は年休が付与される日から1年以内に必ず5日以上の年休を労働者に与えなければならず、これを怠った場合、罰則規定(30万円以下の罰金)も設けられています。
※「時季指定義務」とは、労働者が自発的に休暇を取得しない場合でも日を指定して休ませなければならない義務です。
つまり、あまりに従業員が休まない場合、会社側からむしろ「休め!」と言わないとダメなケースもあるということですね。
これらの国が定めた制度にそって、私たちは有給休暇が付与されています。
新入社員であっても、与えられた権利を使うことに何ら問題はありません。
だからこそ、「新入社員も有給休暇を使ってもいい」ということです。
ポイント
「有給休暇」は、労働基準法にしたがって社員に与えられた権利
最低10日/年は社員に有給休暇が付与される
最低でも年間5日間 有給休暇を取得させない場合企業が罰せされる
有給休暇で気持ちよく休む際のポイント
ということで、新入社員が有給休暇を使うことに何ら問題はありません。
どんどん有給を使いましょう!
......の前に、あなたも責任を対価に給料を貰う社会人。
思うがままに休むのは少しナンセンスです。
スムーズに、気持ちよく休みを取れるようにいくつかのポイントを紹介しましょう。
きちんと事前に休暇取得を連絡する
可能な限り、早めに上司や周囲の方に伝えておきましょう。
1か月前くらいに連絡をしておくと理想的でしょう。
上司も業務や会議のスケジューリングが行いやすくなります。
会社は集団で機能する組織です。
新入社員だって、その立派な一員。
上司があなたに任せたい仕事や、受けさせたい研修を常に計画しています。
工場などの製造業などでは、1名工数が減ると大きく現場の割り振りが変わることもあります。
唐突に朝や、前日に休むとなると上司や周囲に無用な負荷がかかってしまいます。
なので、「休み予定は早めに伝える」。
これを徹底しましょう。
Outlookなどを使用している場合は、休みを伝える自動返信を入れておくとよりGOODです。
予測できない体調不良や事故などは仕方ありません。
その場合でも、当日朝なるべく早めに連絡を入れると共に、「すみません」と伝えておけばOKです。
アクション
◆ 休暇を取得する際は、可能な限り早めに上司や周囲に連絡しておく
アクションのポイント
可能ならば1か月程度前に伝える
予測できない体調不良や事故はやむなし。朝早めに上司に連絡を
当日はメールに自動返信を入れておくとさらにGOOD
周囲に仕事を引き継いでおく
休む前に、周囲に仕事を引き継いでおきましょう。
特に、「日常的にあなたしか行っていない業務」は重要です。
設備の点検や、外部の方からの応対などでしょうか。
あなた以外がその業務を認知していないケースも多く、休んだことによるトラブルも想定されます。
自分が何の業務を持っていて、何をしなければならないか。
同僚や、上司に情報を伝え業務が滞らないようにしましょう。
また、あなたが依頼されている業務の期日が近い場合、きちんと休む前に終わらせることが理想です。
どうしても休みまでに終わらない場合は、周囲の同僚や上司と相談してみましょう。
また、重要な研修や会議がある場合はよほどの理由が無ければ休暇は避けるのがベターです。
アクション
◆ 自身の業務を周囲の同僚や、上司に引き継いでおく
アクションのポイント
何の業務を持っていて、何をしなければならないか きちんと情報を伝える
「普段 自分だけしかやらない業務」は特に重要
仕事の期日が近い場合は、しっかりと休む前に終わらせるように調整する
重要な会議や研修と重なりそうな場合は、休暇は避ける
周囲に感謝を伝える
あなたの代わりに仕事を引き継いでくれる方や、上司にお礼を伝えましょう。
権利とはいえ、休んで当然のようなふるまいをすると周囲との関係は悪くなりがちです。
あなたが不在の際、あなたの業務を周囲の方が代わりにやってくれるのですから。
集団で動く現場などは、特にイメージしやすいでしょう。
休む際は、引き継いでくれる同僚、上司、職場の方にお礼を伝えましょう。
気持ち良く休むために、一番重要なことだったりします。
こう書くと
「周囲に負荷がかかるから、休み辛い・・・」
と思う方もいるかもしれません。
しかし、周囲の方も休む際はあなたを頼りにします。
会社は持ちつ持たれつ。
あなたはしっかりと休み、そのお礼はその方が休む時に返せばOKです。
アクション
◆ 休む前、休み明けは仕事を引き継いでくれた同僚や上司、職場の方にお礼を言う
アクションのポイント
「休み辛さ」は感じなくてOK。借りは他の方が休む際に返しましょう!
計画的に使う
1年間を通して、有給休暇を計画的に使いましょう。
有給休暇の日数は、1年目の場合は10日程度の場合が多いです。
勤続年数が増えるにつれてじょじょに年間の有給休暇の付与日数も増えますが、あまり多くはありません。
ですので、
1年間のうち、年末年始や、大型連休、祝日の中日など、仕事が少なくなる時期
(職種によっては閑散期も)
など休みを取るハードルが比較的低い時期に充てたり
突然の体調不良や、寝坊・・・の保険として年度末まで数日残しておく、といった計画がより重要になります。
特に、有給休暇が無い状態で体調不良になると欠勤になってしまいます。
そういう視点で、有給休暇をトラブル時の保険として数日残すことは非常におすすめです。
アクション
◆ 1年間の中で、どこで有給休暇を使うか計画を立てて使う
アクションのポイント
休みを取りやすい&計画を立てやすい年末年始や連休前後がお勧め
体調不良や事故の際、欠勤にならないための保険として数日残しておきたい
まとめ
有給休暇はわたしたち労働者に与えられた権利です。
休むことには何ら問題はありません。
いくつかのポイントを押さえておけば、気まずさや後ろめたさを感じる必要もありません。
働きづめだと、どうしてもストレスや疲労で生産性が下がってしまいます。
そこをフォローする「休みの取り方」が上手くなると、ぐっと社会生活が楽しくなりますよ!
ぜひ、今のうちから休暇との付き合い方に慣れていきましょう。
アイディア
有給休暇はあなたに与えられた権利。積極的に取得してOK。
➡年間5日は制度上必須。
➡日数や制度を把握するためには、自分の会社の就業規則を読む。
「気持ちよく休むポイント」は押さえておく
➡早めの休暇連絡、仕事の引き継ぎ、周囲へのお礼。
取得は1年を通して計画的に
➡年間で使うポイントや、体調不良時の保険として残すことも考える